それに対して、脇を固めている役者がうまい。
その一方、溝口健二の「近松物語」を見てきなさいって言われていた唐田えりかさん(朝子役)が、監督に「どうだった?」と言われて「よくわかんなかったです」と答えてるのを見て、監督がものすごい嬉しそうで。
青春群像を鮮やかに描いた大作「ハッピーアワー」でロカルノ、ナント、シンガポールはじめ数々の国際映画祭で主要賞を受賞し、その名を世界に轟かせた気鋭・濱口竜介監督。
それは男女の愛のみならず、親子であったり、友人であったり、このおよそ10年の間に日本人の誰もが何度も自問し続けてきた想いであったりもするのだろう。
たとえばこういうことを言ってくれたから、こういうときに優しくしてくれたからといって、じゃあもしそれが別の人だったらその人を好きなったのか、どうしてもその人でなければいけない理由ってあるんだろうかとか、小説を書いてもっと突き詰めたかったというか、そこに何があるのか書いてみて確かめたかったんです。
「映画を考える塊」そのものみたいな濱口(竜介)監督が惚れ込んでいる原作があると聞いて、役を受けることが決まって。
加山雄三さんがすばらしいから、たぶんこれは亮平の役作りのヒントになるだろうからって。
製作:• いつも予想を裏切られるんです。
「濱口メソッド」と僕は呼んでるんですけど。
つまらないことでつまずいて、もったいないなと思います。
それもドミノ倒しのように綺麗に、ゆっくりと倒れていくのだ。
しかし演技力は、頭1つ抜きん出ていました。
自分が出演した映画とかドラマはいつもごらんになるんですか? 作品によって好き嫌いや、よかった、そうじゃなかった、はあるんですか? 東出 それなりの産みの苦しみがあるから嫌いとは言えないし思わないです。
実際のところ、数々の参照点を含めて「語りしろ」の多さというのは濱口竜介作品の大きな特徴であり、『寝ても覚めても』もその例外ではない(本作では作中に出てくる牛腸茂雄の写真やチェーホフとイプセンの演劇が鍵にもなっている)。
つまり 「カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品」の肩書は、言い換えれば「映画のプロに認められた作品」になります。
それに惹かれてメロメロになるヒロイン。
濱口:脚本を書いている時は、まだ東出さんとは一度ご挨拶した程度で、ちゃんと話していなかったんですが、彼の出ているTV番組とか観ながら、彼の口から出てきそうな言葉を作っていきました。
そうすれば唐田さんの中で自然と朝子が育ってくるように思えたので。
棒読みで読む、つまりニュアンスを抜いて段取りテストというのをやって、本番のその一回だけ気持ちを入れる。
結局答えは出ないんですけど。
に しょしんしゃ より• でも濱口さんは、その告白を聞いてじっと目を瞑っている朝子=女性側の顔ばっかり追ってるんです。
なんでこんなことをしてしまうんだろうとか、なんでこうなるんだろうということがたくさんあるストーリーですし。
「むしろ『台詞のニュアンスを一切抜いて読んでください』とお願いします。
一人二役っていうのが。