魔物たちと真っ当に戦う必要はありません。
しかも、それらの自然環境そのものが、ゲームを解く謎と密接と結びついています。
「何でもあり」といっていい。
敵があまりに凶悪過ぎて、つい笑ってしまう、という稀有(けう)な体験ができます。
11年に「Wii」版で発売した「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」をリメイク。
ただし、それはボクシングを習い始めた段階で世界ヘビー級チャンピオンに挑むくらい無謀な行為ですので、「そっちに向かおう!」と大地に降り立った10秒後、敵の姿すら確認できないまま瞬殺されてしまいます。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、そよ風に揺れるたいまつの炎すら、大事な謎解きのためのヒントになっているほどです。
最低限の準備が整った段階で(ここまで1~2時間ほど)、どの村にも行かず、どの中ボスとも戦わず、いきなりハイラル城を目指してもいいのです。
これまでの「ゼルダ」は、いわばガイド付きのパッケージツアーみたいなものでした。
大地を吹く風、刻々と変わる影の形、ときおり地面に落ちる雷。
[画像のクリックで拡大表示] こうしてすべての自然環境に意味があり、ゲームを楽しませる要素として組み込まれていることに気付いてくると、「ラスボスなんか、どうでもいいや」とばかりに、この広い世界の謎を解く旅そのものが楽しくなります。
「携帯モード」や「Switch Lite」ではボタン操作に対応 ゲームの舞台は空に浮かぶ島「スカイロフト」。
そして、どんどん夢中になっていく自分に気づくことになるのです。
2~3カ月は楽しめる大ボリューム こんな広大な世界の上に、ファミコン時代から続く名作アクションゲーム「ゼルダ」の魅力が組み込まれているのですから、大傑作になるに決まっています。
そこには寒波に包まれた雪山もあれば、灼熱の砂漠もあります。
スコールが降り続ける熱帯もあれば、溶岩が流れる火山地帯もあります。
魔物を倒す方法なんて、アイデア次第でどうにでもなるのです。
処理速度が60fpsとなり、よりスムーズな操作が可能になったという。
ゴリゴリのゲーマーを満足させる作品であると同時に、ゲームに慣れていない人を楽しませ、夢中にさせてしまうという、奇跡的なバランスが保たれたゲームとして、ゲーム史にその名を刻むような1本だと思います。
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ハード発売前には、ネット上に「Nintendo Switchは、ソフトが少なすぎる!」というゲーマーからの懸念の声もありましたが、今、それはピタリと止まりました。
この広大な世界には村が点在していますが、どの順番で行っても、まったく問題ありません。
そう、これこそが、オープンワールドの魅力。
リンクは天空と地上を行き来しながら、強敵との戦闘や謎に立ち向かい、ゼルダの手掛かりを探していく。