そこで十位を拝命することの意味をクリムトは理解していた。
青林八旗に配属されてからの功績も抜きん出ており、それは第七旗の七位という席次が証明している。
御剣家に代々つたわる幻想一刀流を学ぶため、絶対に越えなければならない試練。
どうしたものか、とシドニーが首をひねったときだった。
今さら 実家 ( ベルヒ )の目を気にしても仕方ない。
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帝国貴族を母に持つシドニーは、ラグナと同様に金髪碧眼という貴族の容貌を受け継いでいたが、そこから受ける印象は正反対だった。
シドニー・スカイシープ。
実際、 司徒 ( ギルモア )も 司馬 ( ゴズ )に似たようなことをいっていただろ?」 祭 ( さい )はそういって軽く両手をあげた。
いかにも関わり合いになりたくないといった態度だったが、その実、 祭 ( さい )の言葉は真実の一端をついていた。
五年前の御剣空を、それ以前の御剣空を知っているから、なおさらに。
その嫡男として生まれた御剣空(そら)は、十三歳をむかえた年、試しの儀にのぞんでいた。
九門 ( くもん ) 祭 ( さい )。
クリムトにとっては 忌々 いまいま しく、また悔しいことであるが、クリムトは七人の中の七番目だった。
なにもクリムトひとりが格別に劣っていたわけではない。
大型をふくむ三つの群れとなれば、処理に手間取るのも無理はない。
仮にクリムトの話が事実だったとして、空のやつは結局クリムトも司馬も殺してない。
あたかも、わかりきった事実を語っているかのようなアヤカの口調に違和感をおぼえたのだ。
望めば空を飛ぶことも、宙を駆けることもできる 天賦 ( てんぷ )の才。
ほとんど一瞬で視界から消えたアヤカを見て、 祭 ( さい )がお手上げだというように両手をあげた。
ウルスラ・ウトガルザ。
まあ、おじいさまを説得するのはちょっと骨だろうけどね」 「……すまない、シドニー」 「クリムト。
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その部隊を動かしてクライアを助け出す、とラグナはいっているのである。