挿話、人柄 [ ]• しかし最近になってポリーニの指 は衰えてきたが、その方が味わい深くなっているという人もいま すので、どの録音がそれかわかりませんが、機会があったら聞いてみたいと思います。
忙しいピアニストだ。
インタビュアーの質問に対しても即答せず、間を置いて、よく考えてから話す特徴がある。
ここでは若い頃のような「メカニカルなピアニスト」の面影はない。
さらに言えば、 終わりの音符を十分に延 ばさない結果、余韻を味わってないような印象もあります。
思い出もあり、好きな演奏家 の一人です。
でもそれはいわゆるロマン主義とは別物であって、ロシア独自の何かなのかもしれません。
月光の出だしではやや速めのテンポでさらっと始めており、これだけでも彼の音楽が思い入れたっぷりという方向 でがないことがわかります。
好きな人は古今の名演奏を繰り返し聞いているでしょうから、そんな人が百名山を論じるべきです。
:・(1975)• ポリーニ(ピアノ)• (解説部分はすべて『アルゲリッチとポリーニ』から抜粋)ピアノ・スターの「名盤中の名盤」を文章と画像でお楽しみください。
また,弾き手の感興であるとか,感情的な表現などを敢えて拒否して,ク ールでリアルな楽譜の再現を非感傷的に追求しているような感のある演奏で あり,その極めて高い達成度は,完璧な技それ自体が有する圧倒的な感動を もたらしていますし,聴いていて作品が手に取るように分る演奏ともいえる のではないかと思います。
:・・・、、(1990)• これほど淡々として味わい深い 月光のアダージョは滅多にないと思います。
また、二人が性質を異にしているので好みがどち らかに分かれるとも言われます。
これに次いでギレリス~ヨッフム~ベルリン・フィルも名高い。
*アルトゥール・ニキシュとならんで指揮者というものの地位が確立してきた頃の大指揮 者であり、「ドイツ3大B(バッハ/ベートーヴェン/ブラームス)」なる言葉も彼が言い出しました。
若き大スターと老練な大指揮者ベームという組合せ自体の意外性だけでなく、内容自体が非常に優れた物だったからである。
31番のフーガなど、ポリーニとはまた違いますが、切れ目なしに続いて行く音に私はちょっ と気後れします。
近年のポリーニは演奏から力みのようなものがなくなり,盤石なテクニックとともに,融通無碍といえる境地の演奏表現を聴かせるようになっており,それは素晴らしい円熟の表れだと思っていました。
1959年の第一回で優勝。
ベートーヴェンと いう人に力強さとまっすぐさをイメージする人にとって、ギレリスこそその人、最高の演奏家ではないでしょうか。
リヒテルとギレリス、この二人に共通しているのはあまり細かな細工をせず、足取りが大きく、 重さがあって 、やや没入した感じを与 えるところでしょう。
いずれも、アンコールは含まれておらず、信憑性については、一応公式に出されたものばかりであるので、基本的に信頼がおけるものと看做して、この3点の資料その他からベートーヴェンのピアノソナタについての、ポリーニの演奏履歴を考えてみたい。
ベートーヴェン:・・・(1988)• ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番、第23番『熱情』、第24番『テレーゼ』、第27番 マウリツィオ・ポリーニ(P) 2002年6月、ミュンヘンにおけるデジタル録音。
マウリツィオ・ポリーニの代表的な名盤。