妻が夫を助けるのは当然のことである。
そんな中、帝国内部に建国された国家ペロソニア傭兵団領が帝国へ侵攻を開始する! 「否定はしませんよ? ……私の体一つで、メシア教会の今後の発展が約束されるならば、安い物です」 仮にもセシリアはエルキュールのことを好いている。
「最後の三つ目。
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「は、はぃ……つ、つわりも、お、おさまりましたぁ……」 おどおどとした調子でヒュパティアはエルキュールにそう言った。
必要最低限の資金を常にアレクティア大図書館の再建に注ぎ続けていたのだ。
かつて、世界を征した偉大なる大王が建設した、世界中のあらゆる蔵書を集めた巨大な図書館。
故にセシリアからすれば、このような枕営業は、実質的には得しかないのだろう。
……対価として、君の体を貰おうか」 「……はい。
度重なる動乱によってレムリア市は確かに荒廃していたが、しかし丈夫な石材で作られた水道橋などの上水道や下水道はそう簡単には朽ちたりはしない。
どうぞ、お好きなだけ」. 「支援はこれまで通り、続けよう。
「……ありがとうございます。
よって、セシリアがレムリア市へと戻る日が訪れた。
「やぁ、ヒュパティア。
……とはいえ、その日、その時はエルキュールも共にレムリア市まで同行した。
政治はともかくとして、私も、私の側近である修道士や聖職者たちも、こういう内政は不慣れなもので」 セシリアはエルキュールを、正確にはレムリア帝国を見習い、教会をある種の中央集権的な官僚組織に整備し直していた。
例え戦争中でも。
……勿論、夫が妻を助けるのも当然だが。
書物に『漢末』になどと名づけるはずがなく、後世の人間が追加した題名であるようにも思える。
が、養育に関しては君の意思に任せよう」 「は、はぃ……あ、ありがとうございます」 愛おしそうにヒュパティアは自分のお腹を撫でた。
エルキュール様」 上目遣いでセシリアはエルキュールを見た。
セシリアはそう約束した。
これは後にレムリア帝国中興の祖であり三大陸の覇者『聖光帝』として歴史に名を残す若き皇帝の物語である。
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