しかし最終盤。
なんという強さでしょうか。
まとめ 今回は「第62期王位戦挑戦者決定戦羽生善治九段対豊島将之竜王戦棋譜。
98手目、受けに使いづらい駒である桂を自陣一段目に打ちました。
もしそう進めていれば、難解ながらも、羽生九段の勝ち筋だったようです。
羽生九段先手で、戦型は横歩取り。
羽生九段は飛車を引き戻さずに戦う「青野流」を採用しました。
もちろん、将棋は勝ち切るまでが本当に難しい。
結論だけを言えば、羽生九段は勝ちのある局面で投了したことになります。
これもまたさすがの粘り方でした。
「50秒、1、2、3、4、5、6、7、8、9」 そこまで読まれた豊島竜王。
残り時間は羽生53分、豊島42分。
113手目。
185手に及ぶ大熱戦の末、羽生王座は自玉が受けなしと見て投了しました。
羽生九段は強いがゆえに、判断がつかないところで次の手を指すことなく、投了を告げました。
そして最後の結末は、誰にも予想できないものでした。
残り25分。
記録係が残り時間を知らせる声が対局室に響きました。
羽生九段、木村九段ともに矢倉は得意としています。
そうした考えには至らないところが、プロのプロたるゆえんかもしれません。
120手目。
通算成績は1474勝624敗2持将棋(勝率0. 2筋と3筋で一路違いますが、斎藤慎太郎八段が渡辺名人の飛車の頭、タダで取られるところに銀を放つ勝負手を見せました。
45手目まで進んだ段階で、持ち時間6時間のうち、消費時間は羽生九段3時間6分。
ソフトが瞬時に示した結論は以上の通りです。
羽生九段は1時間10分を消費。
「50秒、1、2、3、4、5、6」 127手目。
10時に始まった対局は22時21分に終局。
盤上中央に桂を打って、羽生陣を上部から攻めます。
もし羽生九段がタダの銀を取れば、飛車の横利きが消えて羽生玉は詰み。
名人挑戦権争いに踏みとどまりました。
前期は1組ランキング戦で優勝し、決勝トーナメント(本戦)を勝ち進んで挑戦権を獲得した羽生九段。
本譜は金を打って合駒をしました。