(自然と)思われる 上人はこれを聞くと、長年、不思議だと思っていた馬の様子なので、(自然と)思い当たる事などもしみじみと思われて、 堂を建て仏をつくり、供養して、かの 菩提(ぼだい)を とぶらは れ けり。
民話や伝説など人々の間で伝承されてきた物語を集めた説話集です。
そのとき義家、 はげ たる矢をさし外して帰り に けり。
「臆病は命取り」というのが、この説話の教訓になっています。
ある日敦兼が仕事から帰って来ると、夫人だけでなく家に仕える女房たちも姿を見せません。
僧正比興のこと(おもしろいこと)なりとて、諸人にかたりてわらひけるとぞ。
攻むる=マ行下二「攻む」の連体形 春秋(しゅんじう)=名詞、(春と秋で一年を代表させて)年月、歳月 けり=過去の助動詞「けり」の終止形 伊予守 源頼義の朝臣は、安倍貞任・宗任らを攻める間、陸奥で十二年の月日を送った。
法師が慌てて頭を触ると、ぬるぬるしていたのですっかり気おくれしてしまい、矢で射られたと思い込んでしまいました。
やさしかり=シク活用の形容詞「やさし」の連用形、優雅だ、上品だ。
やすらへ=ハ行下二動詞「休(やす)らふ」の連用形、休ませる。
子猿はまた、母につきて離れじとしけり。
そんな中、自分をからかった定頼の中納言をみごとな詠みっぷりで返り討ちにした小式部内侍さんに当時を振り返ってもらった。
この敬語を使った霊からの敬意。
では内容を紹介していきましょう。
言葉の受け手(聞き手)である上人を敬っている。
感動する。
とて持ちて来たりければ尼上のいはれけるは• 貞任は馬のくつわを緩め、甲のしころを振り向けて、 年を経(へ)し 糸の乱れの 苦しさに 経(へ)=ハ行下二動詞「経(ふ)」の連用形、(時間が)経つ、過ぎる し=過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形 いと=掛詞、「糸」と「意図(作戦)」が掛けられている 長い年月を経て糸が乱れがひどくなるように、長年にわたる作戦の乱れがひどいので と付け たり けり。
たる=存続の助動詞「たり」の連体形、接続は連用形 ぞ=係助詞、ここでは問いただす意味で使われている。
『古今著聞集』の「刑部卿」の歌を、本文、現代語訳つきで解説 では、『古今著聞集』に収録されている説話のなかでも有名な「刑部卿敦兼と北の方」に登場する歌について解説していきます。
泥棒も感動するほど博雅の篳篥が 素晴らしかった、ということなんですもの。
妻子は、乾いた柿がこびりついた首を見ながら悲しみますが、もはやどうしようもありませんでした。
召し奉れ• 僧正おどろきてのち、「ここにもちたりつる餅は」とたづねられければ、江次郎、「その餅は、はやくへと候(さうらひ)つれば、たべ候(さうらひ)ぬ」とこたへけり。
収録されている説話は、「篇」と呼ばれるジャンルごとに分類されています。
この敬語を使った霊からの敬意。
敦兼が服を脱いでも、畳んでくれる人もいません。
乳母(めのと) なり ける尼、 死に 侍(はべ)りて後、上人のもとに、思は ざるに駄を一疋 まうけ たり。
定頼の中納言は思いがけず(小式部内侍のみごとな歌の詠みに)驚いて、 これはどうしたものだ とだけ言って、小式部内侍への返歌も出来ず、小式部内侍の掴まれた自分の袖を引き離してお逃げになった。
異常だ、普通でない し=過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形 なれ=断定の助動詞「なり」の已然形、接続は体言・連体形 思ひあはせ=サ行下二動詞「思ひ合はす」の未然形、あてはめて考える、思い当たる。
急いで持って行ってさしあげ、お渡ししなさい• 義家に仰せて瓜を わらせられければ、腰刀をぬきてわりたれば、中に小蛇わだかまりてありけり。
しばし引き返せ。
『古今著聞集』巻第十二より、「臆病が命取り」 『古今著聞集』巻第十二「弓取の法師が臆病の事」より 臆病が命取り ある家に強盗の一団が押し入った。
鎌倉時代のものよりも王朝時代のエピソードが多く、これは橘成季が古い時代の文物や制度を尊ぶ「尚古的」思想の強い人物だったからだそうです。