今後もこの活動によって、三浦半島地区における肺高血圧症患者さんの予後を改善していくことが求められると考えています。
さらに精密検査が必要な場合には、入院して頂き肺の血圧を測定するためにカテーテル(医療用の柔らかい管)を足や首の静脈から心臓まで挿入して検査を行う必要があります()。
そのほかに必要に応じて、CT、MRI、核医学的検査(換気血流シンチグラフィー)、運動負荷検査などを行います。
強皮症に伴って発症する肺高血圧症では、「肺動脈性肺高血圧症」を生じることが多いですが、他のタイプの肺高血圧症を生じたり、これらがいくつか重なり合ったりすることもあります()。
また現在も新たな薬剤や治療法の開発が進んでおり、今後さらなる治療の進歩が期待されています。
しかし肺高血圧症の患者さんでは肺動脈の血圧が高くなっていることから、右心房・右心室から 肺動脈へ血液を送るために通常より多くの力が必要になり、大きな負荷がかかります。
さらに、自覚症状の程度に応じて重症度の確認も行います。
また立ちくらみやめまい、足のむくみなどは右心症状であり、これらの症状が出ているということは右をきたしており、肺高血圧症が進行していると考えられます。
「肺高血圧症はまさにこうしたメカニズムのもとで発症する」と佐藤氏。
肺動脈の先の肺組織や左心系(左心房と左心室)の抵抗が上がり血液を送り出しにくくなる 第1群と第4群が1.に、第2群と第3群が2.に当てはまります。
この病気に関する資料・関連リンク 難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究班HP 千葉大学大学院医学研究院 呼吸器内科学HP 肺高血圧症センター 難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究班(巽浩一郎、他). 肺動脈圧が高いと右側の心臓内の圧も高くなり、全身の血液が右側の心臓に戻りづらくなります。
心電図に関しては、肺高血圧症のときに出てくる特徴的な心電図所見がいくつかあります。
内科治療に抵抗性の場合、肺移植も適応となります。
但し、潜在的な右心不全(症状がまだでない)という段階から、明らかに症状が出現する場合まで、程度は様々です。
長期間に渡り体内に留置可能なカテーテルを胸に埋め込むことが多い• 図1 心臓の構造 [2] 肺の構造と働き(図2) 肺は心臓を挟んで左右に2つあり、肋骨と横隔膜に接しています。
肺へ届いた血液は酸素と二酸化炭素の交換(ガス交換)が行われ、再び心臓(左心室・左心房)へ戻ったあと、また全身へ送られていきます。
(図5) 肺動脈に血液が流れにくくなると、そこに血液を送り込んでいる右心室は、心筋を肥大させて血液を送り出すように変化します。
心臓超音波():心臓の形態やパルスドップラー法により、苦痛なく高感度で肺高血圧症が診断されます。
診断のためには下記の検査を行います。
CyPA遺伝子あるいはその受容体であるベイシジンの遺伝子発現を遮断する物質をピックアップした。
そして特徴的な所見がないために、そのまま見過ごされてしまう患者さんが想像以上に隠れているとも考えられるのです。
しかし近年は新しい治療法や薬剤の開発により、以前にくらべて治療成績は大きく改善しています。
下記のグラフは当院での2002年からの年次肺高血圧症登録症例数です。
膠原病性(こうげんびょうせい)肺動脈性肺高血圧症は、全身性エリテマトーデス・強皮症・混合性結合組織病などの自己免疫が原因で発症するものであり、比較的病状の進行が速いのが特徴で、特発性より生存期間が短い傾向があります(しっかり治療すれば大丈夫です)。